横浜の賃貸募集の変化|2010〜2025年の賃貸市場を振り返る【2025-11-24更新】 | 横浜エリアの賃貸管理・不動産売買・相続のご相談なら株式会社アルプス建設
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横浜の賃貸募集の変化|2010〜2025年の賃貸市場を振り返る2025-11-24
賃貸市場は、同じ「お部屋探し」という言葉で語られていても、この10年で大きく姿を変えました。横浜エリアでも、オーナー様・入居希望者・管理会社・仲介会社、それぞれの立場や行動がガラッと変わってきています。
今回は、現場で日々賃貸募集に携わる立場から、
**2010年頃から現在までの「賃貸募集の変遷」**を、ざっくり3つの時期に分けて振り返ってみたいと思います。
① 2010〜2018年:新築アパート建設ラッシュの時代
2010年〜2018年頃までは、横浜エリアでも新築アパートの建設ラッシュが続きました。
駅から少し離れた住宅街にも次々と新築アパートが建ち並び、
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鉄骨造や木造3階建ての単身者向けアパート
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ロフト付き・デザイナーズ風の外観
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インターネット無料などの新しい付加価値
15㎡前後のコンパクトな1R
といった物件が、一気に増えていった時期です。
新築物件は、やはり見た目もきれいで設備も新しいため、入居者様の目を引きます。
その一方で、オーナー様の立場から見ると、
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周辺に競合物件が急激に増える
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「賃料」や「広告料」での競争が激しくなる
といった側面もありました。
特に広告料については、当時の感覚として
**「年々、設定金額の相場がじわじわと上がっていった」**印象があります。
「あちらがこれくらい出すなら、うちも合わせないと…」
「空室解消のためには、やはり広告料を上げざるを得ない…」
そうした、**供給過多の中でポジションを取るための“コスト競争”**が、オーナー様・管理会社双方の課題となっていた時期でした。
② 2018年以降:新築アパート減少と「築浅」の再評価
転機となったのが、2018年前後です。
いわゆる**「かぼちゃの馬車」問題**をきっかけに、アパート建築やアパートローンのあり方が社会的に大きく見直されました。
同時に、
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建築コストの上昇
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金融機関の融資姿勢の変化
といった要因も重なり、
新築アパートの建設は徐々に減少傾向へと向かっていきます。
その結果として、
「築浅物件」が本来の価値を取り戻してきたように感じています。
今までは「新築」が次々に供給されていたため、築3〜5年の物件であっても、
「新築に比べると見劣りする」「賃料を少し下げないと…」という場面も少なくありませんでした。
しかし、新築供給が落ち着いてくると、
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管理状態の良い築浅物件
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設備更新がしっかり行われている既存物件
に対する評価が、入居者様の側からも高くなってきた印象があります。
「築年数だけでなく、実際のコンディションで選ぶ」
そんな借り手の目線が、少しずつ強くなってきたタイミングでもありました。
③ 2020年〜:コロナ期がもたらした“募集のオンライン化”
さらに環境が変わったのが、2020年頃からのコロナ禍です。
対面での内見や来店が難しくなったことで、
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内見予約はウェブフォームやポータルサイト経由
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契約はIT重説(オンライン重要事項説明)
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電子契約・クラウドサイン等によるウェブ契約
といった形で、賃貸募集の「オンライン化」が一気に進みました。
従来は、
「まずは不動産会社に来店し、店頭で相談して探す」
という流れが一般的でしたが、
現在は、
ポータルサイトで情報収集
ウェブで内見予約
オンラインで重説・契約
という形で、来店回数を最小限に抑えたお部屋探しが、ごく当たり前になりつつあります。
募集の現場としても、
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写真のクオリティ
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間取り図の見やすさ
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物件コメントの分かりやすさ
など「ウェブ上でどう見えるか」が、以前よりもずっと重要になりました。
④ 現在の横浜エリアで起きていること
こうした流れを経て、現時点の横浜エリアでは、次のような変化を強く感じています。
1. 賃貸仲介業者の数が大幅に増加
物件情報がほぼすべてウェブ上に集約されるようになったことで、
新規で仲介店舗を立ち上げやすくなりました。
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路面店・大型店舗だけでなく、
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コンパクトな店舗、
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来店を前提としないスタイルの仲介会社
も増え、**「仲介業者の裾野が広がった」**印象があります。
2. 都内の不動産会社が横浜の物件を紹介するケースが増加
東京都心の賃料相場が大きく上昇したことで、
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「都内だと予算に合うお部屋がない」
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「通勤時間は多少伸びても、賃料を抑えたい」
というお客様が増え、
都内の不動産会社が、神奈川や千葉の物件をご案内するケースが増えています。
結果として、
「横浜の物件なのに、紹介元の仲介会社は都内」という組み合わせも、今では珍しくありません。
3. 「都内検索 → 横浜へシフト」という動き
もともと東京都内でお部屋探しをしていた方が、
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予算の都合
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希望する広さ・設備
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リモートワークの普及による勤務地縛りの緩和
などをきっかけに、横浜エリアで改めて部屋探しをするケースも目立ってきました。
しかしその一方で、
先に触れたように「新築アパートの供給は減少傾向」です。
供給が絞られる中で単身者向け・カップル向けの**人気条件を満たすお部屋は空室自体が少なく、
結果として「いい部屋から早く決まっていく=争奪戦」**という構図が、年々強くなっていると感じます。
4. 投資用1R分譲マンションの新築が再び増加
近年の横浜エリアでは、
投資用ワンルーム分譲マンションの新規供給も増えてきた印象があります。
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20㎡前後の1R/1K
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賃料設定はおおよそ8万円〜10万円台
といった物件が、新築として続々と供給されています。
都内と比較すれば、まだ「借りられる水準」に収まっているケースが多く、
単身社会人の方を中心としたニーズをしっかり掴んでいるゾーンと言えるかもしれません。
⑤ この10年の変化から見える“これから”の賃貸募集
ここ10年ほどを振り返ると、
「新築ラッシュ → 供給の選別 → 募集手法のオンライン化 → エリアをまたいだ需要の移動」
という流れで、市場が変化してきたように思います。
今後の賃貸募集では、単に
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新築かどうか
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広告料がいくらか
といった条件だけでなく、
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写真や情報の見せ方
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建物・お部屋の管理状態
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周辺環境や暮らし方のイメージが伝わるか
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オーナー様・管理会社側の“運営の丁寧さ”
といった点が、今まで以上に重要になっていきます。
当社としても、
「空室を埋める」だけでなく、
「どうすれば選ばれ続ける物件になるか」
という視点で、オーナー様と一緒に賃貸経営を考えていきたいと考えています。
これからも、現場で感じている賃貸市場の変化や、
募集・管理の中での工夫などを、ブログを通じてお伝えしていきますので、
お時間のある時にぜひまたご覧いただければ嬉しいです。
ページ作成日 2025-11-24
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